こちらが客であることを逆手に取り、不当な要求や行き過ぎた謝罪や他のお客様とは違う特権的扱いを求めるクレーマー。
お店などで働いていて、理不尽極まりない要求に困り果てた方も多いのではないでしょうか。
この記事では迷惑なクレーマーの特徴と心理について考えていきます。
目次
そもそもクレームとは何か?
本来は代金を支払って購入したサービスや商品に対して、購入したものが自分の期待通りでなかったことに対して苦情を入れたり、本当にもっと良くなるといいなと思って改善要求をすることを指します。
その他にもその商品やサービスを使用したことにより被った損害に対して補償をしたり、不良品を購入してしまった場合に対しては返品して正常な商品と交換してもらったりする行為も含まれます。
このようにクレーム全てが悪というわけでもなく、正当なクレームにより新製品や新サービスを開発する良い機会となるのも確かです。
しかし残念ながらごく一部の人間によって、暴行や脅迫や、土下座を要求するほどの過度な謝罪の要求、はたまた金銭の要求など悪質なクレーマーも存在します。
悪質クレーマーとはどのような人たちなのでしょうか?
悪質クレーマーの種類について
クレーマーには様々な種類がいます。主だったものを上げていくと以下のような種類があります。
性格がクレーマー気質の人
自分の能力や経歴に絶対の自信を持っていて、職場や家庭でもそれが通用したのでクレームにおいても通用すると認識しているタイプです。間違ったことを指摘して自分の有能さを証明することが目的です。
特徴としては、自分が絶対に正しいと確信しているのでたちが悪く、こちらが間違いを指摘しても巧みに言い換えて間違いを認めようとしません。
対策としては、口頭での話し合いでは、延々と同じことを繰り返すだけになり埒が明かないので書面による対応をしましょう。
精神に問題を抱えている人
精神的に病んでいる人です。いかに自分が人生で報われないかや、辛い思いを抱えていて生きているかを延々と愚直る人です。
特徴としては、クレームですので本来ならば購入した物やサービスについて話し合うはずなのですが、いつの間にか個人的な話にすり替わっています。クレームの内容に集中し解決することを第一にしましょう。
悪質な常習者
購入した物には瑕疵がないのに、最初から壊れていたとか大事な物が欠けていたなどで、嘘の内容で抗議してきて金銭を得ることを目的としているタイプの人です。
このタイプはほかの会社やお店を上げて、「あそこはちゃんと対応してくれた」と誠意を見せることを暗に要求してきます。
対策としては、製造現場や販売部門に徹底した確認をとりましょう。
もちろん、本当ならば謝罪するべきですが、こちらに身に覚えがないのなら調べていくうちに、話に矛盾やボロが出てくるはずです。
反社会的勢力
正義や善意によって世の中を正すことを錦の御旗に掲げて、額の大きいお金や利益を得ることを目的としているクレーマーです。
最初から製品の改善要求や、商品の交換や代金の返還などは念頭になく、クレームを足掛かりに相手の会社を喰い物にすることが目的です。
このタイプの特徴としては、クレーム内容を表沙汰にして社会に公表しない代わりに、金銭や利益を見返りとして求めてきます。
最初からクレームがなかったことにしたり、闇に葬ったりと双方の同意を求めてきます。
対策としては、音声などで証拠を残し弁護士や警察などの専門家に相談しましょう。
ストーカー
購入した商品の苦情を理由にして、好意を持った担当の人物に対してストーカー行為をすることを目的にしているタイプです。
特徴は言うまでもないですが、特定の人物に対して好意を抱き執着します。商品のクレームのはずが、担当者の私生活を聞き出そうとしてきます。
対策としては、担当者を変えて証拠を残して警察に相談しましょう。
説教型
自分でも嫌がられているのはわかっているし、厳しいことを言っているのはわかっているのだけれど、自分が商品を購入した会社が本当によくなって欲しいと思い込んでクレームをつけてくるタイプです。
世のため人のために自分が立つといったイメージでしょうか。特に高齢の男性に多いようです。
対策としては、素直に敬意と感謝を表しておきましょう。
ストレスを解消するのを目的とした人
仕事でのストレスを解消するために、クレームを建前にして言いがかりをつけて発散するタイプです。
職場や学校のイジメと同じですね。暴言や脅しや人格否定をしてきたり、ひどいケースになると土下座を強要したりします。
問答無用で応対を打ち切って、あまりにも暴言暴力が酷ければすぐさま警察に電話しましょう。
クレーマーの心理について
このような行為をする人たちは、どのような心理に基づいてクレームをつけてくるのでしょうか?
以下のような理由が考えられます。
承認欲求を満たしたい
自分に自信がなくて、誰かから褒められたい。自分の意見が正しいことを他人から肯定してもらいたいのでしょう。
そこでクレームです。
クレームという形で伝えれば自分の意見を聞いてくれるし、尊重してくれるので自尊心が満たされるのでしょう。
文句だけを言うのではなく、自分なりのアドバイスもしてきます。
相手をする際は肯定して素直に聞くふりをして、言いたいことを言わせれば精神的に満たされて満足して終了するでしょう。
他人に対して心理的マウントをとりたい
自分の方が立場が上だということをわからせたいためにクレームをつけてくる人もいます。
普段から周りの人間から蔑視されていたり、自分の意見を無視されていて自信を無くしているタイプです。
一応はお客さんですから丁寧な応対をせざるを得ないので、クレームを言えばさらに大事に取り扱ってもらえます。
その快感を一度味わってみて、商品の改善や補償ではなく上の立場になることが目的になっています。
要は自分が自信を得たいからです。そう考えて丁寧に接していれば応対は難しくはないでしょう。
もっと良質なサービスをして欲しいと望んでいる人
このタイプの人はサービスを受けるのに貪欲で、もっといいものが欲しい。もっと素晴らしいサービスを受けて快適になりたい。という欲求が強い人です。
勿論、身銭を払うのだからより良いサービスを受けたい。もっと良い製品が欲しいというのは当然の事です。
しかし、あまりにもその内容が度を越えている場合も見受けられます。
相手の言いなりになって要求に答え続けて、どんどん業務に支障が出るほどの事を要求されたり、これ以上は無理だと判断した場合はこれ以上は無理だとはっきり伝えるべきでしょう。
孤独で誰かとコミュニケーションをとりたい人
孤独な生活を送っていて、寂しさを感じている人です。誰かと話をしたいと考えています。
クレームをつけるのは話をする切っ掛け作りで、誰でもいいから話をして寂しさを紛らわせたいと考えているのでしょう。
特にこのタイプは電話でクレームをつけてくるタイプが多いようです。
お客様なので過度になれなれしくするのは禁物ですが、問題が解決すれば相手も明るい口調になったのと同時にこちらもうれしい感情を見せれば、相手も喜んでくれるでしょう。
とはいえ、あくまでもクレームはクレームですので粗略に扱うわけにもいきません。
「貴重なご意見ありがとうございます」
「業務改善の参考にさせていただきます」と感謝の気持ちを前に出して相手の心を満たしてあげましょう。
実際のクレーマーの心理とは
実際にクレームをつけてくる人の心理はどのようなものでしょうか?どういった理由で難癖をつけてくるのか実際の例を見てみましょう。
図書館で因縁をつけてくる老人
実際に施設警備で図書館を担当していた方と話を聞いたことがあります。その方は勤めていた会社を定年退職したのちに警備会社で施設警備を担当するようになりました。
一般企業の施設警備を担当した後に図書館に配属されました。実際に担当してみると毎日のようにトラブルの連続でした。
新聞や雑誌を独占している人ともめたり、咳がうるさいなど些細な理由でもめ事など。そのほとんどが高齢の男性だったそうです。
そのような人たちをなだめてトラブルを収拾するのも仕事のうちで、そのようにして毎日の仕事をこなしていると、70代の男性が毎日のように貸し出し窓口でトラブルを起こすようになったそうです。特集コーナーのラインナップが気に入らないとか、職員の応対が気に食わないなど些細な理由でいちゃもんをつけてくるようになりました。
最初はその都度応対していたそうですが、あまりのひどさに耐えかねてとうとうその男性は出禁になってしまったそうです。
それからしばらくして、その男性が菓子折りをもって謝りに来たそうです。受け取ったのかどうかは聞きそびれてしまったのですが、警備員の方はその男性と話をしたそうです。なんでも、定年退職してからやることがなくて毎日が苦痛でしかたがないとのことでした。
子供たちは独立して出ていってしまい、妻は友達と旅行に行ったり趣味に励んだりとかまってもらえない。図書館まで出禁になってしまったら自分は居場所がなくなってしまう。どうか出禁措置を解除してもらえないだろうかという事でした。
お詫びの菓子折りまでもってきても出禁は解除されなかったそうでして、去っていく男性の小さな背中が切なかったそうです。
警備員さんはお酒を飲みながら「結局寂しかったんだと思うよ~。仕事から引退して誰かから必要とされなくなったんだろう。でも、職場以外の人間関係を構築してこなかったからどうふるまっていいのか今更わからなかったんだろうね。職場でどんなに偉くても外じゃただのおじさんなんだから。」とのことでした。
人間関係をうまく構築することができない男性が、クレーマーとなりやすいのかなという感想を抱きました。
以上、クレーマーの特徴と心理についてでした。
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