クレーマーの特徴と心理【クレーマーの各タイプと動機や目的とは】

こちらが客であることを逆手に取り、不当な要求や行き過ぎた謝罪や他のお客様とは違う特権的扱いを求めるクレーマー。

お店などで働いていて、理不尽極まりない要求に困り果てた方も多いのではないでしょうか。

この記事では迷惑なクレーマーの特徴と心理について考えていきます。

そもそもクレームとは何か?

本来は代金を支払って購入したサービスや商品に対して、購入したものが自分の期待通りでなかったことに対して苦情を入れたり、本当にもっと良くなるといいなと思って改善要求をすることを指します。

その他にもその商品やサービスを使用したことにより被った損害に対して補償をしたり、不良品を購入してしまった場合に対しては返品して正常な商品と交換してもらったりする行為も含まれます。

このようにクレーム全てが悪というわけでもなく、正当なクレームにより新製品や新サービスを開発する良い機会となるのも確かです。

しかし残念ながらごく一部の人間によって、暴行や脅迫や、土下座を要求するほどの過度な謝罪の要求、はたまた金銭の要求など悪質なクレーマーも存在します。

悪質クレーマーとはどのような人たちなのでしょうか?

悪質クレーマーの種類について

クレーマーには様々な種類がいます。主だったものを上げていくと以下のような種類があります。

性格がクレーマー気質の人

自分の能力や経歴に絶対の自信を持っていて、職場や家庭でもそれが通用したのでクレームにおいても通用すると認識しているタイプです。間違ったことを指摘して自分の有能さを証明することが目的です。

特徴としては、自分が絶対に正しいと確信しているのでたちが悪く、こちらが間違いを指摘しても巧みに言い換えて間違いを認めようとしません。

対策としては、口頭での話し合いでは、延々と同じことを繰り返すだけになり埒が明かないので書面による対応をしましょう。

精神に問題を抱えている人

精神的に病んでいる人です。いかに自分が人生で報われないかや、辛い思いを抱えていて生きているかを延々と愚直る人です。

特徴としては、クレームですので本来ならば購入した物やサービスについて話し合うはずなのですが、いつの間にか個人的な話にすり替わっています。クレームの内容に集中し解決することを第一にしましょう。

悪質な常習者

購入した物には瑕疵がないのに、最初から壊れていたとか大事な物が欠けていたなどで、嘘の内容で抗議してきて金銭を得ることを目的としているタイプの人です。

このタイプはほかの会社やお店を上げて、「あそこはちゃんと対応してくれた」と誠意を見せることを暗に要求してきます。

対策としては、製造現場や販売部門に徹底した確認をとりましょう。

もちろん、本当ならば謝罪するべきですが、こちらに身に覚えがないのなら調べていくうちに、話に矛盾やボロが出てくるはずです。

反社会的勢力

正義や善意によって世の中を正すことを錦の御旗に掲げて、額の大きいお金や利益を得ることを目的としているクレーマーです。

最初から製品の改善要求や、商品の交換や代金の返還などは念頭になく、クレームを足掛かりに相手の会社を喰い物にすることが目的です。

このタイプの特徴としては、クレーム内容を表沙汰にして社会に公表しない代わりに、金銭や利益を見返りとして求めてきます。

最初からクレームがなかったことにしたり、闇に葬ったりと双方の同意を求めてきます。

対策としては、音声などで証拠を残し弁護士や警察などの専門家に相談しましょう。

ストーカー

購入した商品の苦情を理由にして、好意を持った担当の人物に対してストーカー行為をすることを目的にしているタイプです。

特徴は言うまでもないですが、特定の人物に対して好意を抱き執着します。商品のクレームのはずが、担当者の私生活を聞き出そうとしてきます。

対策としては、担当者を変えて証拠を残して警察に相談しましょう。

説教型

自分でも嫌がられているのはわかっているし、厳しいことを言っているのはわかっているのだけれど、自分が商品を購入した会社が本当によくなって欲しいと思い込んでクレームをつけてくるタイプです。

世のため人のために自分が立つといったイメージでしょうか。特に高齢の男性に多いようです。

対策としては、素直に敬意と感謝を表しておきましょう。

ストレスを解消するのを目的とした人

仕事でのストレスを解消するために、クレームを建前にして言いがかりをつけて発散するタイプです。

職場や学校のイジメと同じですね。暴言や脅しや人格否定をしてきたり、ひどいケースになると土下座を強要したりします。

問答無用で応対を打ち切って、あまりにも暴言暴力が酷ければすぐさま警察に電話しましょう。

クレーマーの心理について

このような行為をする人たちは、どのような心理に基づいてクレームをつけてくるのでしょうか?

以下のような理由が考えられます。

承認欲求を満たしたい

自分に自信がなくて、誰かから褒められたい。自分の意見が正しいことを他人から肯定してもらいたいのでしょう。
そこでクレームです。

クレームという形で伝えれば自分の意見を聞いてくれるし、尊重してくれるので自尊心が満たされるのでしょう。

文句だけを言うのではなく、自分なりのアドバイスもしてきます。

相手をする際は肯定して素直に聞くふりをして、言いたいことを言わせれば精神的に満たされて満足して終了するでしょう。

他人に対して心理的マウントをとりたい

自分の方が立場が上だということをわからせたいためにクレームをつけてくる人もいます。

普段から周りの人間から蔑視されていたり、自分の意見を無視されていて自信を無くしているタイプです。

一応はお客さんですから丁寧な応対をせざるを得ないので、クレームを言えばさらに大事に取り扱ってもらえます。

その快感を一度味わってみて、商品の改善や補償ではなく上の立場になることが目的になっています。

要は自分が自信を得たいからです。そう考えて丁寧に接していれば応対は難しくはないでしょう。

もっと良質なサービスをして欲しいと望んでいる人

このタイプの人はサービスを受けるのに貪欲で、もっといいものが欲しい。もっと素晴らしいサービスを受けて快適になりたい。という欲求が強い人です。

勿論、身銭を払うのだからより良いサービスを受けたい。もっと良い製品が欲しいというのは当然の事です。

しかし、あまりにもその内容が度を越えている場合も見受けられます。

相手の言いなりになって要求に答え続けて、どんどん業務に支障が出るほどの事を要求されたり、これ以上は無理だと判断した場合はこれ以上は無理だとはっきり伝えるべきでしょう。

孤独で誰かとコミュニケーションをとりたい人

孤独な生活を送っていて、寂しさを感じている人です。誰かと話をしたいと考えています。

クレームをつけるのは話をする切っ掛け作りで、誰でもいいから話をして寂しさを紛らわせたいと考えているのでしょう。

特にこのタイプは電話でクレームをつけてくるタイプが多いようです。

お客様なので過度になれなれしくするのは禁物ですが、問題が解決すれば相手も明るい口調になったのと同時にこちらもうれしい感情を見せれば、相手も喜んでくれるでしょう。

とはいえ、あくまでもクレームはクレームですので粗略に扱うわけにもいきません。

「貴重なご意見ありがとうございます」
「業務改善の参考にさせていただきます」と感謝の気持ちを前に出して相手の心を満たしてあげましょう。

実際のクレーマーの心理とは

実際にクレームをつけてくる人の心理はどのようなものでしょうか?どういった理由で難癖をつけてくるのか実際の例を見てみましょう。

図書館で因縁をつけてくる老人

実際に施設警備で図書館を担当していた方と話を聞いたことがあります。その方は勤めていた会社を定年退職したのちに警備会社で施設警備を担当するようになりました。

一般企業の施設警備を担当した後に図書館に配属されました。実際に担当してみると毎日のようにトラブルの連続でした。
新聞や雑誌を独占している人ともめたり、咳がうるさいなど些細な理由でもめ事など。そのほとんどが高齢の男性だったそうです。

そのような人たちをなだめてトラブルを収拾するのも仕事のうちで、そのようにして毎日の仕事をこなしていると、70代の男性が毎日のように貸し出し窓口でトラブルを起こすようになったそうです。特集コーナーのラインナップが気に入らないとか、職員の応対が気に食わないなど些細な理由でいちゃもんをつけてくるようになりました。

最初はその都度応対していたそうですが、あまりのひどさに耐えかねてとうとうその男性は出禁になってしまったそうです。

それからしばらくして、その男性が菓子折りをもって謝りに来たそうです。受け取ったのかどうかは聞きそびれてしまったのですが、警備員の方はその男性と話をしたそうです。なんでも、定年退職してからやることがなくて毎日が苦痛でしかたがないとのことでした。

子供たちは独立して出ていってしまい、妻は友達と旅行に行ったり趣味に励んだりとかまってもらえない。図書館まで出禁になってしまったら自分は居場所がなくなってしまう。どうか出禁措置を解除してもらえないだろうかという事でした。
お詫びの菓子折りまでもってきても出禁は解除されなかったそうでして、去っていく男性の小さな背中が切なかったそうです。

警備員さんはお酒を飲みながら「結局寂しかったんだと思うよ~。仕事から引退して誰かから必要とされなくなったんだろう。でも、職場以外の人間関係を構築してこなかったからどうふるまっていいのか今更わからなかったんだろうね。職場でどんなに偉くても外じゃただのおじさんなんだから。」とのことでした。

人間関係をうまく構築することができない男性が、クレーマーとなりやすいのかなという感想を抱きました。

以上、クレーマーの特徴と心理についてでした。

クレームの基本的対応【問題解決の4つのポイントとNG対応とは】

クレーマーに対しての対応に時間や労力をとられることは、企業活動の大きなダメージになります。

時には本当にこちらの商品やサービスに不手際があって、お客様に迷惑をかけているのかもしれません。

しかし中には購入した物に瑕疵がなくても、金銭的補償や利益を求めてくる悪質なクレーマーも存在します。

悪質でなくてもそうでなくても、クレーマーに対してどのように対応していけばいいのでしょうか?

この記事では、クレーマーに対する対応策を考えていきたいと思います。

クレームに対応する4つのポイント

クレームに対応するにはとても大事な4つのポイントがあります。

この4つのポイントに基づいて問題を解決していきます。

クレームの種類には大きく分けて3つあります。

    クレームの種類

  • 商品に瑕疵があったり、こちらの応対がまずいことにより発生する通常のクレーム
  • 最初から金銭的補償や利益を目当てにした悪意のあるクレーム
  • 社会的常識から逸脱した異常なクレーム

大きく分けてこの3つに分類されます。クレーマーがクレームをつける理由は百人百様ですが、以下4つの段階を経て解決していきます。

    問題解決のための4つのポイント

  • 購入した商品でトラブルを抱えて困っているのを理解し、不愉快な気分にさせたことを詫びる
  • 問題を具体的に把握して、原因を探る
  • 問題を解決するための手段を提示する
  • 解決したら再びお詫びして、相手の意見に対して感謝する

どんなクレームでもそうですが、まずは不快な思いをして感情を害している相手に共感することです。

問題が発生しているときはさっさと解決して解放されたいと考えますが、まずは相手の感情に共感しその後に解決策を提示していきます。

購入した商品でトラブルを抱えて困っているのを理解し、不愉快な気分にさせたことを詫びる

まずは、相手が不良品を購入したことにより不愉快な思いをしたことに対してお詫びをしましょう。これが、全ての対応の起点となります。

ただ謝ればいいというわけではなく、相手に対して「嫌な思いをさせてしまい申し訳ない」「再発防止のためにもお話をお聞かせ願いたい」という態度で応対するのが重要です。

相手が商品を購入することによって、どんなことを楽しみにしていたのか。

その想いが不良品を手にしてしまったことで損なわれてどんなに嫌な思いをしたかを理解し拝聴します。怒って感情的になっている場合は気持ちを落ち着かせるのを最優先にしましょう。

仕事で忙しいと面倒事は早く済ませてしまいたいと思う物ですが、そういった態度はすぐに相手に伝わります。

クレームを付けてきた相手には、まずは、気が済むまで自分の意見や感想を話してもらいましょう。

仕事で忙しくてもこちらの言い分があっても、まずは相手の言い分を聞くことがクレーム対応で最も重要なことです。

また、応対しているときは頷きやあいずちなど、相手の話を聞いていますよというボディーランゲージを大きくとるようにしましょう。

問題を具体的に把握して、原因を探る

クレームが発生したらなぜそのようなことが起こったのか、原因を究明していきましょう。

どんな些細なことでも記録し整理しておきましょう。

  • 相手がどんなトラブルにあっているのか知る
  • どんな問題が発生して、何に困っているのか
  • 困っているのは本人だけなのか?他に困っている人はいないのか?
  • 具体的に何が問題なのか?
  • 相手はこちらに何もしてほしいと考えているのか?

以上のようなことを意識しながらインタビューを進めていきます。相手の発言に質問しつつ、問題点を整理していきましょう。

断片的な発言や意見を体系的な文章にまとめていきます。

正確な記録を取っておくことが、正確かつ迅速な問題解決の手助けとなります。

記録を取りつつ適切な質問をして、何が問題なのかを明らかにしていきましょう。

理解できていないことや、不便なことは何かを訊くことによって問題点を明らかにしていきましょう。

問題を解決するための手段を提示する

事実確認をして明らかにこちらの方が落ち度があると判断した場合は、対応策を練り速やかに提案します。

その際もこちらの都合を一方的に押し付けるのではなく、極力相手の希望に寄り添うような形にします。

誠意を見せる際も社会通念を逸脱した応対はしないように心がけましょう。あくまでも法律と社会常識の範囲内で対応していきます。

新しい商品と取り換えたり、代金を返還したりと深くお詫びをしながら解決していきます。

また金銭のやりとりが発生する際は、念のために示談書を用意して持っていきましょう。

文章に残しておくことで言った言わないを避けることが出来てトラブルの再燃を防ぐことが出来ます、双方の合意によってトラブルが収束したことを証拠に残しておくためです。

解決したら再びお詫びして、相手の意見に対して感謝する

相手にこちらの解決策や提案に納得してもらい、クレームが解決した場合でも不快な気分にさせてしまったことを丁寧にお詫びしておきましょう。

「こちらの問題を一生懸命解決してくれて、誠実な態度で誤ってくれるのか」と信用を高めるチャンスです。

相手がクレームを出していたということは、こちらの信用がマイナスになっていたということですから、こちらの対応次第ではそれをプラスに変えることが出来ます。相手の印象を良くするまたとない機会ですので頑張りましょう。

また、まともなクレームは商品や業務改善をするまたとない機会ですので、自社の仕事に活かしていくことを感謝の気持ちと共に伝えておきましょう。

自分の意見を取り入れてよくなっていこうと努力している姿勢は、相手を感動させこちらの信用をさらに高めることが出来るでしょう。

4つのポイントを押さえた実際のクレーム解決例

それでは、実際に問題解決の4つのポイントを踏まえたクレームの解決例を見てみましょう。建設用仮設資材の会社に勤めている住山さん(仮)のケースです。

クレームの発生

住山さんは建設用仮設資材の貸し出しをする会社に勤めています。取り扱っている商品は建築や土木工事の足場材を主に取り扱っています。

ある日、日本全国各地にある機材センターの一つからクレームが発生しました。足にキャスターが付いている折り畳み式の足場用機材に関するものでした。

クレーム発生

その商品はアルミ製の枠と、人が乗って作業するところに鋼鉄製の網が貼ってある商品でした。

クレームの内容はアルミ枠に溶接してついていた網がはがれていたという物でした。現場で使用する上では問題ないのですが、何かあったらまずいと言うことで対応することになりました。

問題を把握する

網はアルミ枠に溶接して取り付けているのですが、溶接部がはがれてしまっているのでそれを補修する必要がありました。

問題を解決する

網のはがれたところをステンレス製の帯でくくって固定することになりました。また、へこみなども2mm以上の物は廃棄することを基準で定めることになりました。

本来は過剰ともいえる対応でしたが、現場からのクレームを事前に防ぐことが必要とのことで改善することができました。

クレーム発生時にやってはいけないNG対応

頑張ってクレーム対応して、相手の怒りが収まってきてもこちらが不用意な言葉を発してしまったために、相手の怒りが再燃してしまう事があります。

解決しかけていた問題を複雑化させないためにも、やってはいけないNG例を知っておきましょう。

クレームを説明している相手の話を遮ってしまう事

相手は購入した物に対して不満があり、その事をこちら側に伝えたいと思っています。

まずはこちらに対しての言い分を全て吐き出してもらいましょう。

相手の話を聴いていて「それは違うだろう」「それはおかしい」と思っても、口には出さずにまずは徹底的に聴くことに徹します。

相手の話を遮ってしまうと、「なんだその態度は!?」と頭に血が上りますので、余計なトラブルなくクレーム処理をするためにも、まずは相手の意見を聴きましょう。

クレームの内容を疑ってかかる事

相手がとても信じられないようなクレームを付けてきても、まずは相手の言い分を聴くことに徹しましょう。

はじめから疑ってかかられると、相手が怒り問題がさらにこじれることになります。

一方的にクレームを拒絶しない

クレームに対して、「うちは悪くない」「うちの商品に限って間違いがあるはずがない」とよく相手の意見を聴きもせずに最初からはねつけるのはやめた方がいいでしょう。

本当に相手は困っているのかも知れないのに、最初からクレームを受け付けないのは大きなトラブルを自分から招いているようなものです

クレームをたらい回しにする

相手は困って何とかしてほしいと思ってクレームを出しているのに、違う人や部署にたらい回しにするのは絶対に避けた方がいいでしょう。

相手の怒りと不信感を買うのが目に見えていますので、最初に受けた人が担当して最後までやりきるべきです。

一人で抱え込まずに上司と相談しながら、解決できるように動いていきましょう。

調べなければわからないことは他の部署や詳しい人に聞きながら、最初に受けた人が相手との窓口となって応対すれば相手をたらい回しにしていることにはなりませんし、誠実な姿勢を見て相手も逆にこちらへの信頼を高めることになるでしょう。

以上、クレームの基本的な対応についてでした。

悪質クレーマーへの対処法【悪意に基づく要求をどう撥ね退けるのか】

企業がビジネスを営んでいる以上、日々何かの問題が起こるのは当然の事です。

購入してもらった商品やサ-ビスに対して、不良が生じた場合に発生するクレームと、こちらに損害を与えるカスタマーハラスメント(カスハラ)の違いはどういった物なのでしょうか?

この記事では、通常のクレームと悪意を持ったクレームであるカスハラの違いと、その対処方法について考えていきたいと思います。

通常のクレームとカスタマーハラスメントの違いについて

通常のクレームは購入した商品やサービスの改善や補償など、明らかに正当だと考えられる理由による要求です。

これとは違い悪質なクレーマー(カスハラ)は理不尽で不当な要求をしてきたり、暴言による脅迫や直接的な暴力によって自分の身勝手な要望を押し通そうとする行為全般を指します。

悪質クレーマーの実態と要求例について

悪質なクレームをつけてくるクレーマーは、社会階層が高い方低い方両方にいます。特徴としては以下の通りです。

社会階層が高い方

学歴が高くて所得が高い人です。学校でも勉強ができて、仕事でも高い評価を受けて所得も高いゆえに自分に自信があるがゆえに、自分は間違っていないという思い込みが強い方です。

プライドが強くて頭もいいので自分が正しいと疑わないので厄介です。

完璧主義者の傾向が高いので自分が納得できる謝罪や補償のレベルが高く、経営者を出すように要求してきたり、謝罪広告を出すように規模の大きい要求をしてきます。

社会階層が低い層

学歴が低くて所得も少ない人です。

自分の人生が思い通りにいかない不満で一杯で、ストレスのはけ口を求めてサービス業に従事する人をターゲットにして些細なことで言いがかりをつけたり、怒鳴り声や大声で罵ったりすることが多いようです。

悪質な要求態度について

悪質な要求態度としては以下のようなものがあります。

    悪質なクレーマーが要求してくる例

  • 「お前では話にならん責任者を出せ」「社長を出せ」などのセリフを繰り返す
  • こちら側の対応がいかに悪いのかを指摘してくる
  • 自分の不満を解消するために、常識はずれの要求してくる
  • 謝罪の気持ちとどういった補償をしてくれるのか、文章にしてよこせと言ってくる
  • 相手の自宅に赴くと長時間監禁される
  • 普通の人なら納得する対応でも受け付けず拒絶する
  • 店舗に居座り大声で喚き散らして帰らない

以上のような悪質な要求をしてくるクレーマーに対して、どのように対応していけばいいのでしょうか?

不当な要求に屈することなく渡り合うためにはどのような準備をしておけばいいのでしょうか?

悪質クレームに対しての基本的姿勢

悪質なクレームに対して、どのような準備をすればいいのでしょうか?

ある日突然現れる悪質クレーマーに対して、うろたえることの無いように事前に計画し対策を打っておきましょう。

悪質なクレームとそうでないクレームの基準の設定

現場で働く従業員が混乱しないで自分たちで判断できるように、悪質なクレームの定義を定めておき企業内での対応方針を決めておくべきです。

実際のクレーム対応から対応の基準を定めておき、現場レベルでの適切な対処ができるように会社内での意思統一を図っておきましょう。

事前の社員の啓蒙や教育

事前に自社の社員に対して、悪質なクレームに対しての教育をしておき、過度の対応をしないように周知しておきましょう。

正常なクレームと悪質なクレームを区別して適切な対応をできるようにしておきましょう。

不当要求に対して毅然とした態度で対応する

悪質クレームの温床が過剰な顧客第一主義です。悪質で常識を逸脱した要求に対しては毅然として拒否することを社内で徹底させましょう。

「受け入れがたい要求は断固拒否する」ことを意思表示しておくことです。

悪質クレームに遭遇した場合に業務の手を止めることがないように、悪質かそうでないかを判断する基準を設けて迅速に対応していきましょう。毅然とした対応としては以下のようなものです。

    悪質クレームに対した毅然とした対応

  • 誠意をもって誠実にクレームに対応しているのに拒絶され、社会常識の範囲を逸脱した過剰で不当な要求をしてきた場合は悪質なクレームと判断する。
  • 過剰な要求をしてくる悪質クレームに対しては、高圧的な言葉や暴力的な行動に屈することなく、毅然とした対応で相手の要求を拒絶する。
  • 内容が複雑で長引きそうなクレームに対しては、店長や管理者などの責任者が対応する。専門の部署があればそちらの方で対応する。素早く行動すること。
  • 相手が訴訟をちらつかせてきたり特に悪質なクレームに対しては、警察や弁護士を絡めた対応をしていく。

特に重要なのが悪質クレームに対して、担当者を孤立させないことです。

悪質なクレームのストレスで精神を悪化させないように担当者のメンタルヘルスを重視しながら対応していきましょう。自分が一人ではないこと、組織からのバックアップがあることを前提に安心してクレームに対峙してもらうようにしましょう。

悪質クレームに対しての要求態度や内容について

悪質なクレームには様々な種類や要求があります。

いざ、悪質クレーマーと相対した時に対応できるように、どういった態度をとられたりクレーム内容を要求してくるのか知っておきましょう。

悪質なクレームの要求内容について

悪質クレームの定義は社会的常識から逸脱していることです。

脅迫するわけではないけど、補償として多額の金銭を要求してきたり、土下座や屈辱的な態度を要求してくるなどがあります。

悪質なクレームと判断できるケースには以下のようなものがあります。

  • 欠陥や瑕疵のある製品を代金より、迷惑料込みで高額な代金を請求してくる
  • 自分の事を担当した従業員を解雇するように求めてくる
  • 自社製品以外の他社で生産販売している製品に取り換えるように求めてくる
  • 法律を変えろなど、自社の能力を超えた要求をしてくる
  • 明らかに不当な要求に対して、誠実な要求をしているのにかかわらず役員や社長を出せといってくる

以上のような理由は悪質クレームと判断して、初期段階で対応できないことを伝えましょう。不当要求には断じて応じないぞという姿勢を前面に出していきましょう。

悪質クレーマーの要求態度とその対処方法について

悪質クレーマーの要求態度については様々なタイプがありますので、タイプ別に対処方法が分かれます。

担当者を長時間に渡って拘束する

クレーマーが担当者を長時間に渡って、クレーム対応や不満を聴くことで身体を拘束することによって業務を止めてしまうタイプです。

まずはトラブルが起こったことに対して誠実に対応しましょう。

対応し始めてから20分を超え始めたら録音を開始したりして証拠をとるなど、悪質クレーマー向けの対応を始めましょう。30分を超えても納得してもらえない場合は店舗・会社からの退出を願いましょう。

相手が拒否してきて居座ろうとしてきた場合は、不退去を理由に警察に通報しましょう。

繰り返し何度もクレームをしてくる

繰り返し何度もクレームの問い合わせをしてくるタイプです。主に電話でクレームの対応を求めてくることが多いようです。

相手方の連絡先を記録したうえで、理不尽な要求を2回してきたら要注意人物としてマークし、3回目に来た場合は要望には応えることが出来ないことを相手に伝えましょう。

それでも相手がクレームを繰り返す場合は、より上位の管理者が対応し理不尽な要求には従えないことを毅然とした態度で伝えましょう。それでも相手がクレームをやめない場合は業務妨害として警察に通報しましょう。

大声で従業員に暴言を吐いたり、暴力を振るう

クレーム対応している従業員に対して、大きな声で怒鳴りつけたり侮辱的な発言をしてきたり、胸倉をつかんできたり物を叩いたりするタイプです。

対応としてはやめるように求めて、あまりにもひどければ退去させましょう。特に暴力行為が酷ければ警察に通報して、場合によってはその場で取り押さえて制圧して拘束しましょう。

従業員を威嚇したり脅迫してくる

クレーム対応をしている従業員に対して危害を加えたり脅してくるタイプです。

自分が反社会勢力と繋がりがあることを匂わせる発言をしたり、顔を異常に近づけて脅してくる事をしてきます。

対応としては上位の管理者に対応を代わってもらいましょう。威嚇や脅迫をやめるように求めて、応じてもらえないなら警察に通報しましょう。

権威をもってこちらを服従させようとしてくる

クレーム発生時に必要以上にやたらと威張りくさり、権威を持ち出してきて従業員に対して見下すような言動をしてくるタイプです。大企業の元社員や元公務員に多いようです。

対応としては通常通りのクレームとして扱い、勘違いさせないためにも特別扱いは一切しないことです。

店舗・会社外にて拘束してくる

クレーム対応をしている従業員を自宅や職場に呼び出したり、レストランや喫茶店に呼びつけてクレームを行ってくるタイプです。

相手方に出向いてクレーム対応をするのは基本ですが、証拠がないのに呼び出しを受け時間をかけて相手方に出向くこともあり、明らかに過剰対応だと思えるケースもあります。

原則としては単独での対応はしないことを必須とすること。

またクレーム対応の結果に納得することが出来ず、従業員を返さないような行動をとった場合はすぐに警察に通報しましょう。

実際にあった悪質クレーマーの体験談

では、最後に悪質なクレームの実例を見てみたいと思います。

言葉の暴力

  • スーパーのレジ打ちをしていて、入ったばかりなので手間取っていたら遅いと怒鳴られた。連れていた子供に「勉強しないとこんな大人になっちゃうよ!」と目の前で言われてしまい、泣いてしまった。
  • トイレットペーパーが品切れになっている貼り紙を店の入り口にしたのだが、購入しに来た客に何故ないのかと一時間怒鳴られた。

上から目線のお説教

  • 葬儀場の受付をしていたのだが、地元で有名な会社の社長が「○○社の社長だ」と言ってきた。名前がわからないので聞いてみたら、「私の名前も知らないのか!」と怒り始めた。

直接的に暴力を振るう

  • タクシーを運転していて、酔っていたお客さんに後ろから座席を蹴られて、その後殴られた。

以上、悪質なクレーマーへの対処法でした。