店舗などで買い物客として訪れて、代金を支払うことなく商品を持ち去ってしまう万引き。
例え一つ一つの商品の値段が安くても、額が積み重ねれば経営に大ダメージを受けて場合によっては閉店に追い込まれることも少なくないそうです。この記事では、そんな困った万引きの特徴と対応策について考えていきたいと思います。
万引きの実態について
万引きというと100円や200円から大きくても1000円ぐらいの少額をイメージしますが、日本の万引きの被害総額は一日約13億円、年間で約5000億円だそうです!(私も驚きました・・・)
高齢者をターゲットにした、振り込め詐欺などの特殊詐欺は390億と言われていますので10倍以上ですね。
勿論、その分の損害は被害を被ったお店が負うことになります。万引きだからと言って軽く見てはいけないですね。
勿論立派な犯罪です。刑法235条の窃盗罪に当たり、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。
それでは万引きを防止するためには、どうすればいいのでしょうか?万引き犯はどのような特徴をしていて、万引きを阻止するためにはどういった対応策をとっていけばいいのでしょうか?
万引き犯の特徴
万引き犯の行動様式を知り、その対応策をとっていきましょう。万引きの犯行には単独行動と集団行動による2通りのパターンがあります。
単独による犯行
単独で犯行に及ぶ万引き犯は挙動が不審で目につきます。人目を避けるためにターゲットの商品のそばを何度も行ったり来たりして、人がいなくなるタイミングを待っていたりします。
グループでの犯行
何人かでチームワークを駆使して犯行に及ぶ万引き犯もいます。例えば一人が店員に話しかけてそのすきに商品を盗むなどの役割分担を決めて万引きを実行します。
また、犯行を店員に目撃されても大丈夫なように万引きする役と、商品を手渡されて店外に持ち出すのを別々の人間が行ったりします。単独犯の時と同じく不審な行動が多いので注意が必要です。
万引き被害が起きやすい時間は何時ごろなのか?
万引きが起こりやすい時間というのもあります。以下の2つです。
正午~18:00まで
昼食時は、飲食店や食料品を提供するスーパーなどが混雑する時間帯です。
来店する人の数も多く、店員も接客による対応に追われるので注意が散漫になりやすいので、万引きを実行されやすい時間帯と見なされています。
18:00~午前0:00まで
午後6時ころからは仕事帰りに買い物する人たちが増えてきて、やはり全体の監視が行き届かなくなります。また、万引き以外にもお酒を飲んだ人のトラブルなどもあります。
商品を盗もうとしている万引き犯の見抜き方
商品を万引きをしようとしている人物には、どのような挙動をとるのでしょうか?主に以下のようなものがあります。
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万引きをしようとしている人間の挙動
- 買い物をするでもなくただ店内を歩き回る
- やたらと他の客や店員の動きを確認している
- 周りから見えずらい死角になっている場所にずっといる
- 手元を隠すような動作をする
- 目が周囲をきょろきょろと見回す
- 商品を長時間凝視している
- 手と目の動きが一致しない
- 必要以上に個室トイレに長時間こもっている
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複数で万引きをしようとしている人間の挙動
- 仲間同士でわざとらしいくらいの大声で談笑している
- 一人が店員に話しかけたり質問をしたりする
- 一人が店員や他の客とトラブルを起こす
- 複数で店内にいるときに、一人が他の仲間の体で隠れて見えない状態になる
- 店内で大声で騒いでいたかと思えば、いきなり静かになったりする
万引き犯は商品を盗みやすいように、服装や所持品に以下のような特徴があります。
- 着用している服に多くのポケットが付いている
- 気温の高い日なのにコートやジャンパーを着ている
- すぐに商品を入れられる、ファスナーが開いているバックを持っている
- 大きくて口をテープなどで止めていない紙袋をもっている
万引きの標的にされやすい店舗とは?
ここまで万引き犯の特徴を述べてきましたが、万引きのターゲットにされやすい店舗というのもあるのでしょうか?
結論から言うとあります。万引きされやすい店は以下のようなものです。
店内の照明が暗い
店舗の中が暗いと何をしているかわかりにくいですよね。
万引きを企んでいる人が怪しいことをしていても、よく見えなければ判然としません。店舗に入ってきた人間の動きがわかるように照明で明るくしておきましょう。
店舗内で商品を積み重ねて置いていて、見通しが悪い
これは背の高い陳列棚があってもそうですが、商品が乱雑に積み重ねてあると死角ができやすく、人の動きが把握できなくなってしまいます。
万引き犯は死角の陰で商品をバックや衣服のポケットに入れて盗みますので、できる限り店内に死角を作らないように工夫しましょう。
どうしても死角になってしまう所は、防犯ミラーを設置して人がいたら把握できるようにしておきましょう。
防犯カメラが設置されていない
防犯カメラがなくては、万引きをする人に対してこちらの意識が低いことをばらしているようなものです。
特に防犯カメラを設置しないということは、実際に万引きがあっても映像での証拠が残らないことになります。
有力な証拠を一つでも多く確保するためにも、防犯カメラは必ず設置しましょう。
店員の教育や情報共有が出来ていない
店員が接客態度が悪く挨拶もまともにできなければ、だらしのない店だとみなされて万引きのターゲットになりかねません。
明るく元気な挨拶をするようにして、犯罪行為をしにくい雰囲気を積極的に作っていきましょう。
情報共有も大事です。万引きをしている可能性の高い人物については情報共有を密にして、店舗の従業員全体で警戒できるようにしましょう。
万引きへの対応策
万引きを事前に阻止するにはどのような手を打っていけばいいのでしょうか。以下に様々な方法を紹介していきます。
お客様が入店してきたら、目を見て挨拶をする
こんなことで?と思われるかもしれませんが、「いらっしゃいませ!」と相手の目を見ながら挨拶をすることで、入店してきた人の顔を確認することができます。
相手からすれば自分の顔を見られていますし、しかも挨拶もされていますので自分の存在を把握されていると考えます。
商品を万引きすることを考えている場合は、自分の顔を覚えていて欲しくないでしょうから、一定の抑止効果は期待することが出来ます。
いつまでも店内を徘徊している客に声掛けをしていく
入店してからずっとうろうろしていて、買い物をする気があるのか怪しい人物に対しては、こちらから積極的に「何かお探しですか?」と声掛けをしていきましょう。
もしかしたら本当に探している商品が見つからないのかもしれませんし、万引きすることを企んでいた場合は「あなたの挙動をしっかり見ていますよ」という警告にもなります。
商品を整理整頓してきれいな見た目を保つようにする
商品が乱雑に陳列されていると、「この店は管理の行き届いていない店だ」と多少万引きをしてもわからないだらしのない店だというような印象を与えることにもなりかねません。
一般のお客様にも店舗の印象を良くするためにも、商品の整理整頓はこまめにやり、店全体の印象を良いイメージに保つようにしましょう。
防犯カメラを設置する
万引き対策で最も効果的なのが防犯カメラを設置することです。設置の効果としては以下のようなものがあります。
- 防犯カメラで撮影することにより、万引きを事前に抑止する
- 売上金や商品の盗難を目的とした、空き巣や強盗への対策にもなる
- 従業員による店内の監視が効率的にできる
- 映像として有力な証拠を手にすることができる
現在生産されて流通している防犯カメラは鮮明に残すことができますので、有効な証拠として機能します。
また、映像を従業員の間で共有することにより、万引きの常習犯の情報を共有することにもなります。その人物が来店した際はその時店舗にいる全員で警戒することもできるようになります。
設置するポジションも重要で効果を発揮するためには、店舗のレイアウトを考慮しながら死角がないように複数箇所に設置していきましょう。店舗の出入り口や隅っこなど人目がつかない所を監視できるようにしましょう。
実際の万引きに合った店の体験談
私の友人で万引きを実際にした人がいます。中学生の時の友人でした。その時の話をしてみたいと思います。
その日、土曜日で学校が半日で終わったので、私と友人は学校近くのショッピングモールに遊びに来ていました。昭和に建てられた設備も古くてレトロな雰囲気のモールでした。
モールの形状は中庭があり、その周囲に様々な業態の店舗が営業をしていました。花屋もあったし鍵屋も本屋もありました。
土日になると空きスペースを借りて、外部の業者が商品を陳列して商売をしていました。
その日は雑貨屋さんが入って、様々な日用品やおしゃれな小物を販売していました。私と友人は二人で展示されている商品を見て回っていました。確かその時は休みの日に遊ぶための水風船とロケット花火を買ったのを覚えています。
その後、店の外に出てしばらくしてから友人が「なあ、これ見てみろよ」と様々な機能が付いた登山用ナイフを、着ているシャツの下から取り出してきました。私は驚いて「何やってんだ返して来いよ!」と言ったのですが、これぐらい大丈夫だよと言ってききませんでした。
何故そんなことをするのかと問い詰めたのですが、1・店員が一人しかいないので隙だらけだから。2・全体のスペースが広いので盗む機会が常にあるという事でした。また、陳列棚が背の高いものでしたのでとてもやりやすかったとのことでした。
口ぶりからすると常習犯で何度もやったことがあるような口ぶりでした。
その後、こいつと付き合うのは良くないと考えて付き合いが疎遠になり途絶えました。
そんな人間と付き合っていたと考えるとあまりいい話ではないのですけれど、盗みを働く人間の心理を垣間見るいい機会になりました。
以上、万引き犯の特徴と対応策についてでした。