違法薬物の種類と罰則について【薬物の依存性と体験談について】

本来なら医療行為に使うための薬物を違法に入手し、肉体と精神を壊してしまうケースが後を絶ちません。

この記事では依存性のある違法薬物の種類と、入手方法や罰則や治療法などを説明していきたいと思います。

違法薬物の種類

違法薬物は様々な種類があり、使用方法や心身に対しての悪影響もそれぞれ違います。ここでは薬物の紹介とどのような薬理作用があるのかを見ていきましょう。

大麻

麻の葉を乾燥させたり、樹脂化させたり蒸留して液体化したしたものも含みます。一般的に知られている使用方法としては乾燥した麻の葉っぱを紙巻き煙草にして吸引して摂取するものです。

別名を「ゲートオブドラック」と言われ、これを入り口に覚醒剤やコカインやヘロインなどのハードドラックをやるきっかけになることが多いようです。近年では体や心のデメリットは限られているという意見があり、合法化して誰もが楽しむことができる嗜好品にするべきだという議論もあり、実際にアメリカ合衆国では多くの州で合法となっています。またカナダでは2018年より合法化されています。

合法化された理由としては多少の健康面の悪影響を受け入れても嗜好品として楽しみたいというのもあるのでしょうが、カルテルなどの犯罪組織に収益が流れるのならば合法的なビジネスにして、利益にしてしまえという政治的思惑もあるようです。

使用による効果は大麻に含まれている成分であるカンナビノイドが脳の受容体に作用し、ニューロンを発火させ思考と知覚を拡張する事によりリラックスと多幸感に包まれるといわれています。使用しているときの臭いは独特の物で、甘ったるいココナッツのような匂いがするそうで一般的な煙草の臭いとは明らかに違うといわれています。

心身に対する悪影響としては、以下のようなものがあります。

    乱用による悪影響

  • 知覚の変化
  • 日常的に酩酊感を覚えるようになり、気分が悪くなる。

  • 情緒不安定
  • 精神的に不安定になり、大したこともないのにイライラしたりする。

  • 思考が変化する
  • 集中力がなくなり、仕事や勉強に悪影響を及ぼす。

    長く依存することによる悪影響

  • 大麻精神病
  • 大脳の変異により幻覚や妄想などに苦しめられることになります。手や足の表面や体の内部を虫が這いずり回っているような幻覚を見たり、公安が自分の事を逮捕しようと四六時中監視していると思い込んだりします。

  • 知的機能の著しい低下
  • 深い思考が出来なくなったり、読書に集中することが出来なくなったり、酷くなると車の運転にも支障をきたすこともあるそうです。

  • 無動機症候群
  • 無気力になり何もする気が起こらず、仕事を辞めてしまったり学校を退学してしまったりします。

日本では輸入・輸出・栽培は7年以下の懲役。所持・譲渡・譲り受けは5年以下の懲役となります。

コカイン

南米原産のコカの木の葉を原料に製造される麻薬です。神経を興奮させて「ハイ」にする作用があり、気分を高揚させる効果があります。眠気や疲労感がなくなったり、体に力がみなぎるような錯覚を覚えます。

依存性が大変高く、使用し続けることによって瞬く間に体に耐性が付いてしまいますので量もどんどん増えて、すぐに中毒者になってしまいます。主な悪影響としては幻覚や精神錯乱や、皮膚と筋肉の間に無数の虫が這いまわっているような感覚がして、皮膚が裂けて血塗れになるまでかきむしったりします。最後は精神錯乱が酷くなり、発狂・精神障害になってしまいます。

日本では輸入・輸出・製造は10年以下の懲役。所持・譲渡・譲り受けは7年以下の懲役となります。

ヘロイン

「麻薬の女王」と言われる薬物です。ケシからとれるアヘンを精製して鎮痛作用があるモルヒネが作られますが、そのモルヒネに科学加工を加えて強力にしたものです。モルヒネの3倍強力とされ、極めて強い中毒性を持ちます。

神経を抑制する作用があり、使用すると強烈な陶酔感があります。一回経験すると忘れることができず、短期間で強烈な精神的依存に陥ります。身体依存も非常に強く2~3時間おきに摂取しなければ全身の筋肉に激痛が走り、骨がバラバラになるような痛み、悪寒、発熱、酷い動機、嘔吐などの激しい禁断症状に苦しむことになります。

特に精神依存は深刻で、ヘロインを摂取したくても売人から買うお金がない場合などは、最悪目の前を歩いている何の関係もない赤の他人を「金がないから殺してもらおう」と考えて実行に移してしまうほどです。いったん中毒になるとヘロインを打つ以外の事が考えられなくなるといいます。

日本では輸入・製造は1年以上の有期懲役。所持・譲渡・譲り受けは10年以下の懲役となります。

覚醒剤

脳の報酬系に作用するアンフェタミン、メタンフェタミンなどを指します。
使用することにより脳内化学物質であるドーパミンの量を増加させます。使用すると強力な覚醒感を感じ、続けざまに打てば3日寝なくても仕事や活動をすることができるそうです。

悪影響としては食欲減退による体重減少、不安、混乱、精神異常による暴力行為、幻覚などがあります。また、覚醒剤の継続的な使用による感情の不安定化や認知機能の低下などがあります。

日本では輸入・製造は1年以上の有期懲役。所持・譲渡・譲り受けは10年以下の懲役となります。

危険ドラック

麻薬や覚醒剤の化学構造を変えた違法薬物です。商品を売る業者は脱法とか合法とか勝手につけていますが、法的な根拠が全くなく違法です。法の網を逃れるために化学構造を少し変えただけの危険な代物です。作った製造者ですらどのような影響があるか見当がつかないそうです。

合法であるように見せかけるために、カラフルでおしゃれなパッケージをしたお香、バスソルト、アロマなどという名目で販売していることが多いです。使ったらどうなるかは売っている方もわからないので、絶対に使用しない方がいいでしょう。

危険ドラックには大きく分けて、合成カンナビノイド系と合成カチノン系の2種類があります。

合成カンナビノイド系

脳の受容体に作用し、精神に影響する人工的に精製された化学物質です。採取して乾燥させた植物片に噴霧して使用します。
成分は大麻と似ているけど若干違うから合法だという建前ですが、脳に対する影響は大麻よりも深刻な物であり、摂取するとどのような効果があるのか販売者ですら予測がつかないという代物です。

使用方法は紙巻きたばこにして煙を吸ったり、お茶のように煮だして飲んだりします。
報告されている効果としては精神の解放感、高揚感、精神錯乱、暴力衝動などがあります。また、ショック症状を起こしてひきつけを起こし口から泡を吹いて気絶するなどのケースも見受けられます。

また使用することにより血圧の上昇や、腎臓の損傷などの健康に悪影響を及ぼすことがわかっています。

合成カチノン系

アフリカや中東に自生している、カートという覚醒作用のある植物の葉っぱに含まれているカチノンを人工的に合成したものです。天然物より強力な作用があり非常に危険なものとなっています。

商品名としてはバスソルト、クリーナーなどの名目で販売されています。またこの成分が摂取した人間の脳にどのような影響を及ぼすのか全く分かっていないようです。効果・毒性は極めて強くコカインの10倍と言われています。

摂取すると幻覚・幻聴、被害妄想、パニック、精神錯乱などの影響を及ぼします。摂取するには直接飲んだり吸ったり、炙って煙を吸ったり、動静脈に注射したりして使用します。使用することにより心拍数や血圧の上昇、腎不全や心不全などの健康被害を及ぼします。

日本では輸入・製造・所持・譲渡・譲り受けは3年以下の懲役もしくは300万円の罰金となります。

違法薬物を使用したり、身近に接した人の体験談

私の周りにも違法薬物に接した人がいます。この場を借りてその話を書いてみたいと思います。

覚醒剤をやっている人と同僚だった高橋さん

私は以前勤めていた会社で北海道出身の方と同僚になったことがあります。その人高橋さんは他の会社に勤めているときに覚醒剤を使っている同僚に遭遇したことがあります。

その会社では独身寮の相部屋で他の人と2人で生活していたのですが、仕事が終わりお風呂を使って一日の汗を流して部屋に戻ると、部屋の片隅でなにかゴソゴソとやっていたそうです。「なにやってんのん?」と高橋さんが聞いてみると。
注射器の針を腕に指しながら、元気な声で「おお!シャブや!」と元気な声が返ってきたそうです(笑)。

一緒にやらないかとお誘いもあったそうなのですが丁重に断ったそうです。その後も特にトラブルもなく仲良くしていたそうです。そんなある日A4サイズのノートに何かを一心不乱に書き込みをしていました。何を書いているのかなと思っていると「できた!」と一言言って、「高橋さん見てくれ!」と書き込んでいたノートを渡してきました。

何を書いたのか見てみると・・・ひらがなの「の」が黒のマジックペンで書きこまれていたそうです。ノートの初めから終わりのページまで「のののののののののののののののののののののの」とずーっと「の」の字が書き込まれていたといいます。
その人が高橋さんに「で、高橋さん!どうだい!」と言われて「いや・・・どうって何が?・・・」と返すと、「どの(の)の字が一番うまく書けてる?教えてくれ!」と聞かれたそうです。血の気が引いてゾッとしたそうです・・・

その後、その同僚の人は仕事で行っていた現場で、他の会社の中国人の人と些細なことで喧嘩になり、スクレーパーで頭を何度も殴りつけて頭蓋骨陥没の重傷を負わせました。やられた人は障害が残り、体が麻痺して言葉も呂律が回らなくなったそうです。

その事件が起こった日に高橋さんが寮にいると、急に外が騒がしくなったそうです。何だろう?と思って外に出ると、やられた中国人の同僚たちが10人以上手に手に鉄パイプやハンマーを持ちながら「嘿!那家伙在哪!(おい!あいつどこだぁ!)」と叫んでいたそうです。

「中国人は喧嘩になるとすぐ人数が集まるから怖いよ!」と高橋さんは言っていました。建設業怖いなぁ・・・

近所に住んでいる幼馴染がヘロインの精製業者だったヴァルラスさん

ヘロインに関するエピソードで、会社の同僚のパキスタン出身の方の話しです。

彼は両親が学校の校長先生をしている家庭に生まれ育ち、頭が良かったので飛び級を繰り返して16歳で大学に入学しました。
弁護士を目指して(普通に仕事をしていても儲かるけれど、パキスタンは賄賂的な物が凄くて裏収入でお金ザクザクだそうです)

法学部で勉強していたそうなのですが、世界を見てみたいという気持ちに勝てずに大学を退学し海外に向かいました。

最初は韓国の鉄鋼メーカーで仕事をして、その後ヨーロッパをフラフラした後に米国に渡り、オーストラリアの大学院でMBAの学位をとってワシントンで個人タクシーの運転手をしているお兄さんの所に身を寄せてニートをしていました。(笑)。

2001年の同時多発テロの時は、ペンタゴン(米国国防総省)に飛行機が突っ込んだのを見物しにいったそうです。

彼の幼少からの近所の友人が家業でヘロインの精製をしているそうで(なんでそんなのと友人なんだろ?)その話をしてみたいと思います。ヴァルラスさん曰く「パキスタンはインドから分離独立した時に国家経営の財政の金がないから、ヘロインを精製して海外に輸出して売ってお金儲けをしたんだよ~世界中にヘロインをばら撒いて普及させたのはパキスタンだよ~」って言ってました。これ書いて大丈夫なのかな・・・

精製業をしているので、自分たちの作った商品がちゃんと効き目があるのかチェックする必要があります。ワインを製造している業者が自分たちが作ったワインを試飲して味と香りをチェックするように、彼らも製品を鼻で吸い込んで「うん、いい出来だ」とやるそうです。

少量でもそんなことを日常的にやっていたら普通は中毒になります。事実ヴァルラスさんは中毒者がお金欲しさに通りすがりの人を襲って死に至らしめる光景を何度も目の当たりにしたそうです。ところが彼らは日常的にヘロインを摂取しているのに体を壊すこともなく、精神錯乱も起こしてなくて正常そのものなのが不思議でしょうがなかったそうです。

そこで彼らに「なんでお前ら毎日ヘロイン食ってるのに平気なの?」と聞いてみると「ああ、俺らは毎日たくさん飯を食ってるから平気なんだよ。」という答えが返ってきたそうです。私も驚きましたが薬物に負けない体を作るのはご飯をたくさん食べることなんだそうです。

彼ら曰く薬物を摂取する人間が衰弱して死んでいくのは食べないから、この一言に尽きるんだそうです。食べないから衰弱して死んでいく。薬物に負けない体を作るために食べる、特に肉を食べることが重要でマトン(羊)チキン(鶏)ビーフ(牛)など豚以外の肉を大量に食べて食べて食べまくるのが重要だと言われたそうです。体を強くして薬物に負けない体を作ることが出来ると言われたそうです。

逮捕されて留置場に拘留されて一昼夜すると、離脱症状で全身の穴という穴から垂れ流しているといわれるのに本当なのでしょうか・・・。

他にも様々な激しい禁断症状にも襲われるのに、にわかには信じがたい話ですがだからと言って薬物をやっていい理由にはならないことをここで申しあげておきます。

違法薬物の治療方法について

薬物を始めた人たちは皆、最初は止めようとすればすぐに辞められると考えていますが、薬物を少量でも乱用することによって体に耐性が付いていきます。最初は量が少なくても次第に効かなくなっていき最後は止められなくなってしまいます。

薬物を乱用すると脳が変質して完全に戻ることはないと言われます。アルコール依存症の人たちの間では「ぬか漬けにしたキュウリは生のキュウリに戻らない」と言われていますがそれと一緒だといえます。

依存症を完治するような治療法や薬はありません。元に戻ることはもうありませんので、二度と薬物に手を出さないようにして生活していくしかないといえます。薬をやめて生活していてもちょっとしたきっかけで幻覚や幻聴などのフラッシュバックに襲われることがあります。

一緒に乱用していた仲間と再会してしまったり、予防接種の時の注射器を見たりして欲求が蘇ってしまう事があるそうです。

一人で薬物に向かい合うのは難しいと感じたら、専門の相談機関である。NA(ナルコティック・アノニマス)などに相談したり、ダルクで共同生活をすることによって薬物からの回復を目指す施設で、薬物に依存しない生活をできるようにする方法があります。

以上、違法薬物についてでした。

  

ストーカー規制法の罰則【逮捕後の流れと手続き、示談などについて】

ストーカー行為は立派な犯罪であり、むろん許されるようなことではありません。

しかし、相手に対しての好意が高まりすぎてしまい、自分でも気が付かない内にストーカー行為に手を染めていたということもあるかもしれません。

この記事を読んでいる人の中にも、逮捕されたことはないけれど、ストーカー行為をした経験があったり、警察から問い合わせや警告の電話があったり、ストーカー行為をした対象者から慰謝料を求められたりした人もいるかもしれません。

いくら好意を抱いているとはいえ、一線を越えて犯罪を犯す気はなくても、逮捕されて実刑が下されては重大な社会的なペナルティーを受けることになります。

もし逮捕された場合、どういった法律で処罰されるのか? 懲役は何年なのか? 執行猶予はつくのか? 罰金を払うとしたらいくらなのか? 示談はできるのか?このようなことが気になっている人もいるかもしれません。

この記事ではあなたや親しい人たちが、ストーカー行為にて逮捕された場合にどう対処すればいいのかを説明していきます。

ストーカー行為で処罰される場合の法律

ストーカー行為を行った場合、犯罪性があると判断された場合はストーカー規制法により処罰の対象になります。

どのような内容なのか、ここで把握しておきましょう。

ストーカー規制法とは?

正式名称は「ストーカー行為等の規制等に関する法律」と言います。

この法律は具体的にどういった行為がストーカーとストーカー行為に当たるのかを定義し、それを行う人に対して警告をしたり警告をしても行為を止めなかったり、その行為が悪質な場合には、行為者に刑罰を科して被害者を守ることを目的とした法律です。

世間一般のイメージでは、男性が加害者で女性が被害者という構図ですが、ストーカー規制法では性別の区別はなく、ストーカー行為をすれば逮捕される可能性があります。

ストーカー規制法に違反する行為には、大きく分けて2つに分けることができます。
「つきまとい等」と「ストーカー行為」です。

つきまとい等

相手に対しての執拗なつきまとい、道端で待ち伏せる、相手の自宅に押し掛ける、自宅の周囲をうろつく等

好意を持った相手に対して外出時に尾行する、特定の場所で待ち伏せをする、相手の進路に立ちふさがる、家や職場や学校に押し掛けてきたり、自宅や職場を見張ったり相手の周囲をうろつくこと。

監視していると告げる行為

相手の服装やその日一日の行動内容を、電話やメールなどで伝えて、相手を常に監視下に置いていることにに気付かせること。

面会、交際の要求

相手に面会を要求したり、自分と交際をするように要求したり、過去に交際していた経緯があれば復縁を迫ったり、相手がいらないと断っても贈り物を受け取るように強要すること。

乱暴な言動

相手の自宅の前にて大声を出して罵ったり、自動車のクラクションを鳴らしたり、「〇ね」「〇すぞ」と発言するなど、乱暴な言動をすること。

無言電話や連続電話、メール、ファックスを送り付ける、SNSの書き込み

相手に対して何度も繰り返し連続で電話をしたり、大量のメールやファックスの送信をしたり、相手のSNSへ執拗なコメントの書き込みを繰り返すこと。

汚物や危険物の送付

素手で触ると怪我をするような危険な細工をした物体や、排泄物や汚物や動物の死骸などを家や職場に送る行為。

名誉を傷つける行為

相手の社会的な名誉を傷つけることを目的とした電話やメールを送り付けたり、誹謗中傷を目的としたビラや怪文書を自宅や職場の周囲に貼り付けたりばら撒く行為。

性的羞恥心の侵害

卑猥な内容の電話やメールを送る。わいせつな写真を家や職場に送り付けること。

ストーカー行為

ストーカー規制法では、特定の人に対して上記の「つきまとい等」の行為を繰り返し行うことを、「ストーカー行為」と定めています。

ここで重視されている点ですが、「ストーカー行為」と定められるには「つきまとい等」の行為が一回だけでなく、日常的に何度も繰り返し行われていることが重要です。

単発的な嫌がらせ行為では「ストーカー行為」には当たりません。

他にも身体や生命の危機に晒されていることや、生活している住居に侵入されそうなことなど「ストーカー行為」と認定されるには一定の条件があります。

罰則について

  • ストーカー行為をしたものは、1年以下の懲役又は100万以下の罰金
  • 禁止命令等に違反してストーカー行為をしたものは、2年以下の懲役又は200万以下の罰金
  • 禁止命令に違反した者は、6カ月以下の懲役又は50万以下の罰金

逮捕された後の流れや手続きについて

逮捕されると48時間警察から取り調べを受けます。

この間は親族であっても接見することはできず、弁護士以外は外部の人間と接することができない状況に置かれます。

その次に送検といって、警察から検察へと身柄が引き渡されます。

原則として検察の捜査は24時間以内とされていますが、被疑者が罪を認めなかったり、事件性が複雑な場合には長引くこともあります。

特にストーカ-犯罪の場合は、被害者に対する報復行為や自らの行った行為の証拠隠滅を図る可能性が高いと見られており、
逮捕後は拘留期限が延長されることが多いようです。

この拘留請求ですが、裁判所が認めると原則としては10日間与えられ、捜査の進展がない場合はさらに10日間の拘留延長が認められるようになっています。

この間に検察は起訴するか否かを決めます。起訴すると決めた場合は刑事裁判が始まり、有罪か無罪かを判断します。

無罪になればそれに越したことはないのですが、日本の刑事司法では起訴されると99.9%が有罪となりますので、有罪になるかどうかは起訴されるか不起訴で済むかが大きな分かれ目になっています。

逮捕された場合の対応と前科を付けないようにするためには

有罪となって前科を付けないようにするためにも、ストーカーとして逮捕されてしまった場合は、一刻も早く被害者と示談をすることが重要です。

必ず弁護士に相談する

ストーカー行為は相手への好意が高まりすぎて、自分でも気が付かないまま一線を越えてしまっていることが多い行為です。

自分では問題ないと信じているため、逮捕されたときは冷静な判断と対応がとりずらいので、必ず弁護士に相談しましょう。

弁護士なら法的な観点から、あなたがとった行動が違法性があるかどうかを判断することができます。

仮に自分のやってしまった行為が違法性があるのならば、素直に自分の犯した罪を認めて改善策をとらなくてはいけませんし、前科を付けないようにするためにも被害者との示談交渉を進めなくてはいけません。

そのためにも信頼できる弁護士にアドバイスをもらいながら、対応していくのが一番です。

被害者と示談する

何とかして処分を軽いものにするためには、被害者と示談しなければなりません。

被害者との示談に持ち込むことが出来れば、不起訴の可能性は大きくなります。

そのためにも弁護士を付けて交渉を進めていくのは必須と言えます。

何故なら被疑者が被害者と直接謝罪や示談交渉等をするのは極めて難しいからです。

被害者は被疑者の取ったストーカー行為によって、精神的なショックを受けていることがほとんどです。

そのため、被疑者からの連絡や接触に対して強い拒絶を示します。下手に示談のための連絡を取るだけで「ストーカー行為」と見なされて被害感情が増大するだけですので、示談には必ず弁護士を通して行うことにしましょう。

示談金の相場は?

相場は一般的には50万から150万程度と言われています。

基本的にはこの場合の示談金は慰謝料ですので、被害者が受けた行為とその苦痛の度合いによって額は大きくなります。

当然、行為が悪質で執拗なものであった場合は高額なものとなります。

また、高額で一括で払うことができない場合は、減額や分割の支払いの交渉をする必要もあります。

こうした交渉は専門家でなければ困難なので、ストーカー行為によって逮捕された際は一刻も早く弁護士に相談しましょう。

実際に冤罪で逮捕されそうになった体験談

本来ストーカー規制法は迷惑行為・犯罪行為から個人を守るための物ですが、中にはそれによって冤罪となるようなケースもあります。実際に遭ったケースを紹介します。

交際していた女性からストーカー規制法違反で訴えられる

同じ会社で交際していた女性から訴えられたケースを取り上げたいと思います。

会社員の佐藤さん(仮)は同じ職場の女性山田さん(仮)と交際していました。関係は良好で将来結婚も視野に入れた話も出ていました。そんな中で佐藤さんは仕事の都合でお客さんの所に出向する形で、今までいる職場から離れることになりました。

山田さんとはコミュニケーションを密にしているつもりでしたが、ある日突然別れを切り出されたそうです。
佐藤さんにとっては何もかもいきなりで、彼女を失いたくないので引き留めにかかったのですが、別れたいの一択でした。

待ち伏せして復縁を迫ったのですが、ひたすら拒否されることの繰り返しだったそうです。

どうしてこうなってしまったのか、どうすればいいのかわからないまま悶々として日々を送っていたそうなのですが、ある日突然警察から電話がかかってきて、山田さんがストーカー行為で困っていて警告するために電話をしたと言われたそうです。

佐藤さんはショックを受けたそうですが、そこまで彼女が嫌がっているのならばと身を引いて迷惑をかけないことを決めました。

それからしばらくして山田さんが、佐藤さんの隣のデスクで仕事をしていた男と交際していることを同僚を通じて知り、その男がストーカー行為で警察に相談することを彼女に入れ知恵をしたことを知りました。

佐藤さんはもう抗議する気も失せて、彼女との関係を完全に終わらせることに決めたそうです。

あくまでもストーカー規制法は被害者を守るためにあるもので、悪用されるようなものではないのですがこのようなケースもあるようです。

以上、ストーカーとして逮捕された際の罰則についてでした。