悪質クレーマーへの対処法【悪意に基づく要求をどう撥ね退けるのか】

クレーマー

企業がビジネスを営んでいる以上、日々何かの問題が起こるのは当然の事です。

購入してもらった商品やサ-ビスに対して、不良が生じた場合に発生するクレームと、こちらに損害を与えるカスタマーハラスメント(カスハラ)の違いはどういった物なのでしょうか?

この記事では、通常のクレームと悪意を持ったクレームであるカスハラの違いと、その対処方法について考えていきたいと思います。

通常のクレームとカスタマーハラスメントの違いについて

通常のクレームは購入した商品やサービスの改善や補償など、明らかに正当だと考えられる理由による要求です。

これとは違い悪質なクレーマー(カスハラ)は理不尽で不当な要求をしてきたり、暴言による脅迫や直接的な暴力によって自分の身勝手な要望を押し通そうとする行為全般を指します。

悪質クレーマーの実態と要求例について

悪質なクレームをつけてくるクレーマーは、社会階層が高い方低い方両方にいます。特徴としては以下の通りです。

社会階層が高い方

学歴が高くて所得が高い人です。学校でも勉強ができて、仕事でも高い評価を受けて所得も高いゆえに自分に自信があるがゆえに、自分は間違っていないという思い込みが強い方です。

プライドが強くて頭もいいので自分が正しいと疑わないので厄介です。

完璧主義者の傾向が高いので自分が納得できる謝罪や補償のレベルが高く、経営者を出すように要求してきたり、謝罪広告を出すように規模の大きい要求をしてきます。

社会階層が低い層

学歴が低くて所得も少ない人です。

自分の人生が思い通りにいかない不満で一杯で、ストレスのはけ口を求めてサービス業に従事する人をターゲットにして些細なことで言いがかりをつけたり、怒鳴り声や大声で罵ったりすることが多いようです。

悪質な要求態度について

悪質な要求態度としては以下のようなものがあります。

    悪質なクレーマーが要求してくる例

  • 「お前では話にならん責任者を出せ」「社長を出せ」などのセリフを繰り返す
  • こちら側の対応がいかに悪いのかを指摘してくる
  • 自分の不満を解消するために、常識はずれの要求してくる
  • 謝罪の気持ちとどういった補償をしてくれるのか、文章にしてよこせと言ってくる
  • 相手の自宅に赴くと長時間監禁される
  • 普通の人なら納得する対応でも受け付けず拒絶する
  • 店舗に居座り大声で喚き散らして帰らない

以上のような悪質な要求をしてくるクレーマーに対して、どのように対応していけばいいのでしょうか?

不当な要求に屈することなく渡り合うためにはどのような準備をしておけばいいのでしょうか?

悪質クレームに対しての基本的姿勢

悪質なクレームに対して、どのような準備をすればいいのでしょうか?

ある日突然現れる悪質クレーマーに対して、うろたえることの無いように事前に計画し対策を打っておきましょう。

悪質なクレームとそうでないクレームの基準の設定

現場で働く従業員が混乱しないで自分たちで判断できるように、悪質なクレームの定義を定めておき企業内での対応方針を決めておくべきです。

実際のクレーム対応から対応の基準を定めておき、現場レベルでの適切な対処ができるように会社内での意思統一を図っておきましょう。

事前の社員の啓蒙や教育

事前に自社の社員に対して、悪質なクレームに対しての教育をしておき、過度の対応をしないように周知しておきましょう。

正常なクレームと悪質なクレームを区別して適切な対応をできるようにしておきましょう。

不当要求に対して毅然とした態度で対応する

悪質クレームの温床が過剰な顧客第一主義です。悪質で常識を逸脱した要求に対しては毅然として拒否することを社内で徹底させましょう。

「受け入れがたい要求は断固拒否する」ことを意思表示しておくことです。

悪質クレームに遭遇した場合に業務の手を止めることがないように、悪質かそうでないかを判断する基準を設けて迅速に対応していきましょう。毅然とした対応としては以下のようなものです。

    悪質クレームに対した毅然とした対応

  • 誠意をもって誠実にクレームに対応しているのに拒絶され、社会常識の範囲を逸脱した過剰で不当な要求をしてきた場合は悪質なクレームと判断する。
  • 過剰な要求をしてくる悪質クレームに対しては、高圧的な言葉や暴力的な行動に屈することなく、毅然とした対応で相手の要求を拒絶する。
  • 内容が複雑で長引きそうなクレームに対しては、店長や管理者などの責任者が対応する。専門の部署があればそちらの方で対応する。素早く行動すること。
  • 相手が訴訟をちらつかせてきたり特に悪質なクレームに対しては、警察や弁護士を絡めた対応をしていく。

特に重要なのが悪質クレームに対して、担当者を孤立させないことです。

悪質なクレームのストレスで精神を悪化させないように担当者のメンタルヘルスを重視しながら対応していきましょう。自分が一人ではないこと、組織からのバックアップがあることを前提に安心してクレームに対峙してもらうようにしましょう。

悪質クレームに対しての要求態度や内容について

悪質なクレームには様々な種類や要求があります。

いざ、悪質クレーマーと相対した時に対応できるように、どういった態度をとられたりクレーム内容を要求してくるのか知っておきましょう。

悪質なクレームの要求内容について

悪質クレームの定義は社会的常識から逸脱していることです。

脅迫するわけではないけど、補償として多額の金銭を要求してきたり、土下座や屈辱的な態度を要求してくるなどがあります。

悪質なクレームと判断できるケースには以下のようなものがあります。

  • 欠陥や瑕疵のある製品を代金より、迷惑料込みで高額な代金を請求してくる
  • 自分の事を担当した従業員を解雇するように求めてくる
  • 自社製品以外の他社で生産販売している製品に取り換えるように求めてくる
  • 法律を変えろなど、自社の能力を超えた要求をしてくる
  • 明らかに不当な要求に対して、誠実な要求をしているのにかかわらず役員や社長を出せといってくる

以上のような理由は悪質クレームと判断して、初期段階で対応できないことを伝えましょう。不当要求には断じて応じないぞという姿勢を前面に出していきましょう。

悪質クレーマーの要求態度とその対処方法について

悪質クレーマーの要求態度については様々なタイプがありますので、タイプ別に対処方法が分かれます。

担当者を長時間に渡って拘束する

クレーマーが担当者を長時間に渡って、クレーム対応や不満を聴くことで身体を拘束することによって業務を止めてしまうタイプです。

まずはトラブルが起こったことに対して誠実に対応しましょう。

対応し始めてから20分を超え始めたら録音を開始したりして証拠をとるなど、悪質クレーマー向けの対応を始めましょう。30分を超えても納得してもらえない場合は店舗・会社からの退出を願いましょう。

相手が拒否してきて居座ろうとしてきた場合は、不退去を理由に警察に通報しましょう。

繰り返し何度もクレームをしてくる

繰り返し何度もクレームの問い合わせをしてくるタイプです。主に電話でクレームの対応を求めてくることが多いようです。

相手方の連絡先を記録したうえで、理不尽な要求を2回してきたら要注意人物としてマークし、3回目に来た場合は要望には応えることが出来ないことを相手に伝えましょう。

それでも相手がクレームを繰り返す場合は、より上位の管理者が対応し理不尽な要求には従えないことを毅然とした態度で伝えましょう。それでも相手がクレームをやめない場合は業務妨害として警察に通報しましょう。

大声で従業員に暴言を吐いたり、暴力を振るう

クレーム対応している従業員に対して、大きな声で怒鳴りつけたり侮辱的な発言をしてきたり、胸倉をつかんできたり物を叩いたりするタイプです。

対応としてはやめるように求めて、あまりにもひどければ退去させましょう。特に暴力行為が酷ければ警察に通報して、場合によってはその場で取り押さえて制圧して拘束しましょう。

従業員を威嚇したり脅迫してくる

クレーム対応をしている従業員に対して危害を加えたり脅してくるタイプです。

自分が反社会勢力と繋がりがあることを匂わせる発言をしたり、顔を異常に近づけて脅してくる事をしてきます。

対応としては上位の管理者に対応を代わってもらいましょう。威嚇や脅迫をやめるように求めて、応じてもらえないなら警察に通報しましょう。

権威をもってこちらを服従させようとしてくる

クレーム発生時に必要以上にやたらと威張りくさり、権威を持ち出してきて従業員に対して見下すような言動をしてくるタイプです。大企業の元社員や元公務員に多いようです。

対応としては通常通りのクレームとして扱い、勘違いさせないためにも特別扱いは一切しないことです。

店舗・会社外にて拘束してくる

クレーム対応をしている従業員を自宅や職場に呼び出したり、レストランや喫茶店に呼びつけてクレームを行ってくるタイプです。

相手方に出向いてクレーム対応をするのは基本ですが、証拠がないのに呼び出しを受け時間をかけて相手方に出向くこともあり、明らかに過剰対応だと思えるケースもあります。

原則としては単独での対応はしないことを必須とすること。

またクレーム対応の結果に納得することが出来ず、従業員を返さないような行動をとった場合はすぐに警察に通報しましょう。

実際にあった悪質クレーマーの体験談

では、最後に悪質なクレームの実例を見てみたいと思います。

言葉の暴力

  • スーパーのレジ打ちをしていて、入ったばかりなので手間取っていたら遅いと怒鳴られた。連れていた子供に「勉強しないとこんな大人になっちゃうよ!」と目の前で言われてしまい、泣いてしまった。
  • トイレットペーパーが品切れになっている貼り紙を店の入り口にしたのだが、購入しに来た客に何故ないのかと一時間怒鳴られた。

上から目線のお説教

  • 葬儀場の受付をしていたのだが、地元で有名な会社の社長が「○○社の社長だ」と言ってきた。名前がわからないので聞いてみたら、「私の名前も知らないのか!」と怒り始めた。

直接的に暴力を振るう

  • タクシーを運転していて、酔っていたお客さんに後ろから座席を蹴られて、その後殴られた。

以上、悪質なクレーマーへの対処法でした。

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如月 広
一人暮らしの生活に不安を感じている男性女性を対象に、自宅の防犯を目的とした、成人男性の音声の録音及び提供を行っております。
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投稿者: 如月 広

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